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Exhibition log|ポートレート展準備記録④|開催まで29日

  • 1月22日
  • 読了時間: 6分

更新日:1月29日

 ⚠️本記事内で触れている2月21日のポートレートイベントは、現在の状況を考慮し、


開催を見送る判断をいたしました。最新のご案内は下記の記事をご覧ください。




📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。


2026年2月21日、22日、23日の3日間、越谷にある「絵本のある蔵 糀屋 」さんにて、ポートレート制作をメインとした作品展を開催することになりました。


今日から、このブログで展覧会に向けた準備の過程を記録していきます。


完成した作品だけでなく、迷いや途中経過、考えていることも含めて、Exhibition log(展覧会ログ)として残していく予定です。


本日、1月22日。

開催まで、あと29日。


💬2026年2月21日~23日越ヶ谷 糀屋 蔵2Fで開催


💬開催64日前の記録


💬開催54日前の記録


💬開催30日前の記録


展覧会まで残り29日。はがきよりも小さな紙に、描き、縫い、塗る行為を反復する制作ノート。小さなサイズが生む親密さと遅さ、そして観る側に委ねられる時間について綴ります。
Megumi Karasawa "portrait"展

なぜ今、このサイズなのか


今回、はがきサイズを選んで制作しているのは物理的な制約からではありません。


大きな画面では、身体が先に動き、判断が速くなりすぎてしまう。


その速度に抗うために、あえて手のひらに収まるほどの大きさを選びました。


小さな紙は、一つひとつの線や針の位置に対して、必然的に立ち止まることを要求します。


描くことも、縫うことも、逃げ場がなくなる。


その密度と遅さを引き受けられるサイズとして、今はこの大きさが最もふさわしいと感じています。


同時に、「小さい」ということは、観る側との距離を自然に縮めるサイズでもあります。


遠くから一望されるものではなく、近づかなければ成立しない。


覗き込むように見る行為そのものが、作品との関係性をつくり出す。


その親密さ、近さもまた、今回の制作にとって重要な要素です。



反復する制作の日常


現在は、はがきサイズの小さな紙にドローイングを施し、そこに刺繍を加える制作を続けています。


縫っては描き、描いては塗り、また針を刺す。


その工程を何度も往復するように、ひとつの画面に向き合っています。


作品のサイズは小さいものの、制作の密度は決して軽くありません。


今は一日一枚を目安に、淡々と、しかし確実に手を動かしています。


同時に、この小さな作品群を「どのように見せるか」についても考え始めました。


展示方法は、作品と同じくらい重要な要素です。


針と糸を使いながら、完成形だけでなく、会場での配置や視線の流れまでを想像しています。


作品を作る時間と、展示を構想する時間。


その二つが、少しずつ重なり始めている段階です。



「こなれ感」を手放すという選択


これまでの私の制作は、「いかに描画するか」という点に重心が置かれていました。


絵そのものがバランスの取れた、気持ちのよい画面であること。


描き慣れた手つきや判断の速さが生む「こなれ感」を、いかに洒脱に見せるか。


その完成度や即応性を、無意識のうちに重要視していたように思います。


しかし同時に、その描画という行為は、私にとってあまりにも簡単に、手早くできてしまうものでもありました。


だからこそ今、「こなれ感」をあえて手放そうとしているのだと思います。


針と糸という、自分にとって少し苦手意識のある要素をあいだに差し挟むことで、絵一枚に向き合う時間を、ほんのわずかでも引き延ばしたかった。


描いて終わりにするのではなく、そこにもう一度立ち止まり、手を加えてあげる時間を挟みたかったのです。



遅さを内包する行為としての刺繍


縫う・描く・塗るという行為を反復する現在の制作では、「うまく描こうとする感覚」が一度、立ち止められます。


針を刺す速度は描線よりも遅く、修正は簡単ではありません。


ひとつの判断が、すぐには取り消せない形で画面に残ります。


この反復は、表現を洗練させるためというよりも、判断を遅らせ、確認し続けるための行為に近いのかもしれません。


完成度よりも、ためらい。

勢いよりも、引き返せなさ。



観る側に委ねられる「遅さ」


この制作で私が意識している「遅さ」は、制作時間そのものを誇示するためのものではありません。


針と糸を差し挟むことで引き延ばされた時間が、

最終的にどこまで作品に沈殿し、観る側の身体に届くのか。


その点は、展示という場に置かれて初めて試されるものだと思っています。


観る人は、この作品にどれほどの時間がかけられたのかを知りません。


それでも、視線がすぐに離れない、あるいは一度見たあとにもう一度戻ってくるとしたら、それは作品が無意識のうちに「急がなくていい」という速度を要求しているからかもしれません。


この小さな作品たちは、強い主張をするわけでも、瞬時に意味を提示するわけでもありません。


だからこそ、展示方法によっては一瞬で通り過ぎられてしまう危うさも孕んでいます。


その一方で、近づかなければ見えない刺繍の痕跡や、紙の質感、線の揺らぎが、観る人の足取りや視線をわずかに減速させる可能性もあると感じています。


制作の中で引き延ばした時間を、観る側の側にもほんの少し手渡すことができるのか。


展示とは、その問いを現実の空間で検証する行為でもあります。



顔というモチーフがもたらす速度のずれ


今回、ポートレートという形式を選んでいることも、「遅さ」と無関係ではありません。


人の顔は、本来とても速く消費されるモチーフです。


一瞬で「誰か」「何か」を判断され、分類され、読み取られてしまう。


しかし同時に、顔ほど簡単に読み切れないものもありません。


感情、記憶、こちらの思い込みやバイアスが、見るたびに介入し、意味が揺れ動く。


針と糸を重ねた顔は、写真のように即座に情報を与えるものではなく、また、明確な物語を語るわけでもありません。


縫い目や線の重なりが、視線を滑らせることを拒み、どこかで引っかかりを生み出します。


その引っかかりが、観る人にとっての「遅さ」になるのかどうか。


顔を見た瞬間に意味づけてしまう習慣から、

ほんの一拍ずれることができるのか。



開催見送り🆕【2026展示のお知らせ】

Megumi Karasawa "portrait"

会期:2026年2月21日(土)、22日(日)、23日(月・祝)

会場:本のある蔵 糀屋 〒343-0818 埼玉県越谷市越ヶ谷本町3-29

時間:2月21日(金):13:00〜17:00|2月22日(土)2月23日(日・祝):10:30〜17:00

観覧:無料


BASEでは2026年カレンダーを始め、ポストカードやドローイング作品を取り扱っています。是非一度ご覧になってみてくださいね。


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写真を交え、わたしのアートについて発信しています。こちらも是非楽しんくださいね。



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