top of page

人間という“謎”がアートを動かす──内面と外面のギャップから生まれる作品

  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。


秋になると、少し思索的な気分になるせいか、ふと“謎”について考えることがあります。


とはいえ、ここでいう謎は怪奇現象のようなものではなく、「人間」という存在そのものが持つ複雑さについての“謎”です。


人の「内面」と「外面」が大きく食い違うとき、そこには強い魅力が生まれます。本記事では、人間という“謎”をテーマに、作品の印象と作家本人のギャップ、パレイドリア現象、そしてグレイペインティングやリノカット制作へとつながる創作の思考過程を深く掘り下げます。
リノカット版画入りカレンダー、いよいよ発売間近です。

内面と外面――人が抱える二重構造


先日、本屋でふと目にした読売新聞の書評に


「作家の内面と外面はしばしば大きく乖離している。むしろそのギャップこそが作品の魅力をつくるのではないか」


という趣旨の文章がありました。


読んだ瞬間、胸の奥にすとんと落ちる感覚があり、しばらくその言葉が頭を離れませんでした。


確かに、作品を見たときに抱く“印象”と、作家本人と対峙したときに受ける“印象”は、驚くほど異なることがあります。


むしろ一致しているほうが稀かもしれません。


そのズレは、ときに人間らしい魅力として働き、ときに誤解を生んだりもします。


私自身も、外見が実年齢より若く見られやすいことから、最初の接し方が妙にフランクになったり、カジュアルに扱われる経験が少なくありません。


でも、私の中には熱しやすい部分や、反骨心、激しい感情がしっかりと息づいています。


その“見た目の柔らかさ”と“内側の混沌”のギャップが、自覚していなかった作品のクセや勢いとして表れているのかもしれません。


人が持つ二面性――あるいは多面性。


それは、人にとってずっと興味の対象であり、人間という存在の最大の“謎”なのだと思います



「グレイペインティング」が生まれた背景


今年、個展で発表した《Grey Painting》という作品群があります。


テーマは、自分と他者の距離感や関係性、境界線。


その関係を図式化しながら整理していたとき、ノートに描いた線や矢印が、ふと“顔”のように見えてきました。


雲の形が顔に見えたり、壁のシミが動物に見えたりする、いわゆるパレイドリア現象です。


私はその現象をヒントに、「人の顔が持つメタファー」や「見えない関係性」について考えながら作品をつくりました。


抽象的な線の集合が、だんだん人の気配を帯びていく。


その瞬間の不可思議さに惹かれたのだと思います。


この“顔の気配”というテーマは、今年のカレンダーを制作するときにも私の中に残っていました。



顔が語る、見えない物語


私たちは他人の顔を見て、その人を理解したつもりになります。


けれど、顔は全てを語っているわけではありません。


それでも、皺や癖、視線の揺らぎには、その人が生きてきた時間がうっすらと刻まれています。


そうした“深読みしたくなる余白”に魅力を感じ、今年のカレンダーには、人物の表情や人が

見つめる風景をモチーフにしたリノカット版画を採用しました。



2026年版カレンダー制作について


今年のカレンダーは A5 サイズで、クリーム色がかった厚紙に刷っています。


2か月ごとの構成なので、6枚の版画を制作しました。


久しぶりにリノカットを彫りましたが、やはり彫刻刀でザクザクと進む感覚は気持ちよかったです。


リノカット版画は特別な道具を必要とせず、誰でも始めやすいところも魅力だと思います。


今回の版画は白と黒の絵の具のみ。


線と形だけで構成されるシンプルさが、季節を問わず部屋に馴染んでくれます。


人物が見ている空、夜景、風景。


そんな“その人の視界にある世界”も作品の中に忍ばせています。内面と外面、見えるものと見えないもの。その重なりをイメージしながら制作しました。


カレンダーは BASEショップで販売します。今年も生活のどこかで、静かに寄り添う存在になれたら嬉しいです。


発売は12月上旬を予定しております。

只今、刷りの作業に入りました。


📝カレンダー発売ご報告とリノカット版画技法についての記事


【BASE:オンラインショップ】


BASEではポストカードやドローイング作品を取り扱っています。是非一度ご覧になってみてくださいね。2026年のカレンダーを販売します。

artmegumi powered by BASE
artmegumi.base.shop
artmegumi powered by BASE
artmegumi はじめまして。現代アーティスト、カラサワメグミ(Megumi Karasawa)です。この度は、私のショップ「artmegumi」へお越しくださり、誠にありがとうございます。【 artmegumi について:『不定形の創造の源』を耕すバーチャルギャラリー】「artmegumi」は、私、抽象画家・カラサワメグミが手掛けたポストカードやZINE(ジン)をお届けするオンラインショップです。BASEショップは、好きな時にふらっと立ち寄っていただける「バーチャルなギャラリー」をイメージしています。私の作品を通して、日々の喧騒から離れ、心ほぐれる「余白の時間」を味わっていただけたら幸いです。【作品に込めた想い:揺らぎと創造の探求】私は常に「何者でもない自分」という感覚と、創作への初心者のような不安や恐怖を抱えながら作品と向き合っています。しかし、その一方で、物事に対する鋭い観察力と繊細な感情を大切に、自身の個人的な記憶を耕すように作品を生み出しています。アートという大きな分野の中で、既存の枠に囚われず「小さな破壊と創造」を繰り返すことで、私なりの表現を追求しています。この創作の根源にある想いは、私のブログ記事「自分がコントロールできない環境でも:生身の人間はなぜ『表現』をせずにはいられないのか」→https://megumikarasawa662.wixsite.com/engraverでも詳しく綴っていますので、ご興味があればぜひご覧ください。【作品を通じて届けたいこと】私がポストカードやZINEを制作する上で大切にしているのは、「まるで絵画を鑑賞しているかのような、没入感のある体験」です。ZINEでは、私の文章を通してご自身という枠から離れて、別の想像世界に入り込むような、そしてポストカードは、その作品のミニチュアとして、手元で気軽にアートに触れる機会を提供します。これらを通じて、身体ごと揺らぐような、心地よい余白の時間をつくっていただけたら、この上なく嬉しいです。【ショップ情報その他】●ショップURL: https://artmegumi.base.shop/●BLOG:https://megumikarasawa662.wixsite.com/engraver●note:https://note.com/brisk_toucan7182/n/ne0c96bb7fd92●Pinterest:https://jp.pinterest.com/artmegumikarasawa/●Instagram:https://www.instagram.com/art.megumi.karasawa/

【note:もうひとつのブログ】


noteではWixブログで書いた内容を、読みやすくわかりやすいテキストにしています。

写真を交え、わたしのアートについて発信しています。こちらも是非楽しんくださいね。


コメント


bottom of page