連載スタート!「アート活動の通信簿」から始める価格戦略PDCA(第1回)
- 11月7日
- 読了時間: 3分
更新日:11月7日

📍第1回以降は、実際に行う価格テストや、顧客反応・利益率の推移まで、できる限りリアルなプロセスを公開します。是非会員登録をして、続きを楽しんでご覧ください。
アート活動の通信簿:売上増の裏にあった「利益率の停滞」という課題
皆さんこんにちは。
ここでは、私自身のアート活動を「持続可能な表現」として再設計するための1年間の実践記録として、過程を記していきます。
前回公開した「アート活動の通信簿」分析記事では、この1年間の作品発表と販売の記録を分析しました。
おかげさまで作品の売上は着実に増加しましたが、そこから見えてきたのは──
「売上増に比例しない利益率の停滞(あるいは微減)」という、活動の持続を左右する課題です。
この連載では、私自身の実践を通して、創作を継続可能なかたちに整えるプロセスを、具体的な数値とともに検証していきます。
根本原因の特定:なぜ利益率が伸び悩んだのか
売上は上がっているのに、活動基盤は安定しない。その理由を探る中で、次の2つの構造的な問題が浮かび上がりました。
1)心理的バイアスによる「値付けのゆらぎ」
多くのクリエイターが共感するはずです。たとえば──
「この価格で受け入れてもらえるだろうか」という不安
「まだ自分にはこの金額は早い」という自己評価の低さ
「購入者を失いたくない」という恐れ
こうした感情の影響で、市場や時間コストを正確に反映しきれず、作品の本来の価値を過小評価した価格設定になっていたことが分かりました。
2)見えない「活動コスト」の過小評価
材料費や梱包費といった直接コストは意識できても、アート活動全体にかかる時間・労力・維持費は見えにくいものです。
たとえば──
制作に要する時間原価(自分の労働としての価値)
維持コスト(サイト運営、ギャラリー対応、SNS発信、撮影や編集)
学習コスト(資料や展覧会、図録、セミナーなど)
これらを無視して価格を決めることは、結果的に「創作を支えない構造」を温存してしまう行為でした。
1年間の挑戦:活動の再設計PDCA
私はこの課題から目をそらさず、今後12か月をかけて、「感覚」ではなく「構造」で支える創作の仕組みを整えていきます。
具体的な目標は次の3つです。
利益率を20%改善し、活動の余白を確保する
すべての作品カテゴリーで、実際の制作コストに基づいた価格体系を構築する
価格改定によって、作品価値の伝わり方(顧客体験)がどのように変化するかを検証する
この連載は、私個人の記録であると同時に、同じように創作を続ける人たちが「自分の活動を支える構造」を見直すための参考にもなればと思います。
次回予告:いよいよ「新しい価格設計」フェーズへ
次回(12月公開)では、具体的な設計フェーズに進みます。テーマは次の3つです。
同ジャンルの作家はどのように価格を設計しているのか?
自分の制作時間をどのように可視化するか?(時給換算の方法と実測)
それらを踏まえた新しい価格リストの設計図(試案)を公開
データと感覚の両面から、作品価格の“根拠”を再構築していきます。どうぞご期待ください。
最後に(会員の皆さまへ)
この連載の第一回は、会員限定で無料公開します。
以降の回では、実際に行う価格テストや、顧客反応・利益率の推移まで、できる限りリアルなプロセスを公開します。
続きは是非会員登録をして頂き、お楽しみください。
コメント欄でのご意見やご経験も、ぜひお寄せください。
「表現を続けること」そのものを、持続可能な構造に変えていく1年にしたいと思います。
— Megumi Karasawa




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