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針と糸で世界を見る ―― 1月の制作と服飾展ブームをめぐって

  • 1月11日
  • 読了時間: 4分

更新日:1月11日

📍いつもブログを読んでくれてありがとうございます。


1月の最初の一週間が終わり三連休に入りました。


昨日はとても冷たい空気と強い寒気、そして夕方以降風の強い一日でした。


雪の予報も出ているようですので、どうか皆さん暖かくしてお過ごしくださいね。


針と糸で制作を続ける視点から、2024〜2025年に続く服飾・刺繍展ブームを考察。アール・デコからミナ ペルホネンまで、「縫う」行為がつなぐ自由と記憶を読み解く。
針と糸で縫いながら展覧会を見ると、世界の輪郭が少し変わります。

針と糸の仕事


私はというと、今日は針のチクチクとした縫いの仕事を進めていました。


なかなか思うように手が進まず、ようやく一枚を縫い終えた、という感覚です。


気力と集中を要する時間でしたが、確かに一歩は前に進めたように思います。



服飾と手仕事の展覧会をめぐって


針と糸の仕事をしていると、ふと昨年の展覧会の傾向を思い出しました。


ネットのアート記事でも指摘されていましたが、2025年は服飾やデザイン、布や手仕事に関わる展覧会が多かったように感じます。※ブログ最後にコラムあり


自分自身が布や針と糸を使って制作しているからこそ、そうした視点で展覧会を選び、観に行くことが、いまの自分にとってとても実りのある体験になっています。



テーマをもって作品を見るということ


自分の中に一つのテーマがあり、そのテーマと重ねながら他者の作品や考え方、世界観を見ること。


それは作品の見方を変えてくれますし、単なる鑑賞を超えて、思考の往復運動のようなものを生み出します。


一見すると興味の幅が狭くなるようにも思えますが、実際にはそうではありません。


むしろ、服飾という入り口から、思想、社会背景、芸術、文学、哲学、自然科学、そして生活全般へと、思考は自然に広がっていきます。


人はそうした複数の層と関わりながら、作品をつくり、何かを表現しているのだと実感します。



これからの展覧会へ


今年に入っても、服飾や手仕事に関わる展覧会はまだ続いています。


時間を見つけて、できるだけ足を運んでみたいと思っています。


このブログも明日へと続いていきますので、またお読みいただけましたら幸いです。


針と糸で制作を続ける視点から、2024〜2025年に続く服飾・刺繍展ブームを考察。アール・デコからミナ ペルホネンまで、「縫う」行為がつなぐ自由と記憶を読み解く。
糸の記憶をたどる ―― 服飾展ブームとは。

🪞【コラム】時代を縫い、記憶をつづく ―― 私たちが「服飾と裁縫」の展覧会に列をなす理由


2024年から2025年にかけて、日本の美術館では「衣服・糸・針」をテーマにした展覧会が驚くべき密度で重なりました。都美術館の『刺繍』展、三菱一号館美術館の『アール・デコ』、そして「つぐ」ミナ ペルホネンの世界。なぜいま、私たちはこれほどまでに「纏(まと)うもの」の物語に惹かれるのでしょうか。


🕊️1. 100年前の「解放」と、いま

1920年代、アール・デコの時代。女性たちはコルセットを脱ぎ捨て、短いスカートと機能的な衣服を手に入れました。シャネルやヴィオネ、パトゥが生み出したのは、単なる流行ではなく、「自由な身体」そのものでした。一針ずつ施された刺繍やビーズは、社会へ踏み出すための鎧であり、光の装置でもあったのです。


♻️2. 「消費」から「循環」と「記憶」へ

100年後の私たちは、大量生産と大量廃棄の時代に生きています。その中でミナ ペルホネンが示したのは、「つぐ」という思想でした。ここでは「縫う」という行為が、時間と記憶を定着させる営みへと変わっています。


🙏🏻3. 「祈り」と「規律」のあいだで

衣服や裁縫は、常に自由の象徴だったわけではありません。戦時下の千人針や強制された裁縫は、国家や暴力に個人を縫い付ける装置でもありました。その歴史を知るからこそ、現代の作家たちが自らの意志で針を振るい、世界を縫い直す姿が、より切実に響くのです。


🪢結び:100年後の「今」を縫う

一本の針が布を刺し、糸が通るたび、そこには過去と未来、自己と他者が縫い合わされます。美術館に並ぶ衣服や刺繍は、単なる「もの」ではなく、私たちがどう生きるかを問い続ける、時間の記録なのです。



■ 2024年〜2025年:主要な「服・糸・針」の展覧会ピックアップ

  1. 『アール・デコとモード ─KCIコレクションを中心に』(三菱一号館美術館)

    • 1920年代の「解放」と「モダン」の原点。

  2. 『つぐ minä perhonen』(世田谷美術館 ほか巡回)

    • 循環、持続性、そして記憶を纏うことの豊かさ。

  3. 『刺繍―針がすくいだす世界』(東京都美術館)

    • 手仕事の圧倒的な身体性と、現代アートとしての刺繍の拡張。

  4. 『刺繍がうまれるとき』(東京都美術館)

    • 国家、戦争、教育と結びついた「縫う」行為の歴史的検証。

  5. 『装いの力―異性装の日本史』(松濤美術館 ほか)

    • 衣服がジェンダーの境界線を溶かし、自己を再構築する力。


💬展覧会レポート#01 『刺繍―針がすくいだす世界』(東京都美術館)



📢【2026展示のお知らせ】

Megumi Karasawa "portrait"

会期:2026年2月21日(土)、22日(日)、23日(月・祝)

会場:本のある蔵 糀屋 〒343-0818 埼玉県越谷市越ヶ谷本町3-29

時間:2月21日(金):13:00〜17:00|2月22日(土)2月23日(日・祝):10:30〜17:00

観覧:無料


BASEでは2026年カレンダーを始め、ポストカードやドローイング作品を取り扱っています。是非一度ご覧になってみてくださいね。


noteではWixブログで書いた内容を、読みやすくわかりやすいテキストにしています。

写真を交え、わたしのアートについて発信しています。こちらも是非楽しんくださいね。


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