透明にしないための、ひと針── 針と糸の制作ノート⑥
10月3日
読了時間: 2分
📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。
毎日針と糸で縫っています。「毎日」手を動かすことが、わたしの中で大きな価値を持っています。しないと手が鈍るとか、仕上がりに期限があるからではありません。何かの目標や目的があるわけでなく、毎日少しずつでいい、したいと思うからするのです。
せずにいると不安になります。なぜ不安になるのか?それは、今日この一日が透明で、無色となって何も残らず、残せなかったという悔いから来る不安です。
針と糸は、ひと針、ひと針がまるで秒針を遡るように、遅延の中にあります。
完成形があるわけでもなく、整った図柄も形もなく、ぷつぷつと紙の裏表を埋めていくうちに、ふっくらと太った紙の手触りを確かめます。
わたしが一日一日を透明にせず、痕跡を残したものに触れるのです。
噴出する大量の水を堰き止めるダムのように、毎日が無為に流れてしまうから、わたしはそれに巻きこまれ、流されぬよう、ここに留めたくて手を動かしているのです。
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