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こういう一家、いるよね!?|藤野千夜『じい散歩』を読んで

  • 8月8日
  • 読了時間: 2分

📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。


今回ご紹介する本は文庫化からわずか4ヶ月で12刷という評判になりました。ドラマ化などの一時的な話題によるものではなく、作品そのものへの評価が積み重なった結果だそうです。

2020年の単行本刊行後、新聞各紙に書評が掲載され、口コミでじわじわと読者を増やしました。2023年8月の文庫化に加え、同年10月には続編『じい散歩 妻の反乱』も刊行され、相乗効果で注目度が上昇しました。

文庫版は発売後まもなくランキング上位に入り、12月には12刷に達しました。


この本に描かれるのは、もうすぐ90歳になる夫婦とその息子3人(全員独身)の日々です。



📚暮らしは続く。

『じい散歩』

著者:藤野千夜

出版社:双葉文庫

出版年:2023年


人生の紆余曲折も大小の危機もとうに過ぎ、今は定番化した朝食を食べ、近所を散歩し、定時の夕食時に帰宅する夫・新平。歩くのが嫌いで認知症を患い、夫の浮気を疑う妻・英子。

長男は引きこもり、次男は家を出てフラワーアーティストとして働く女性的な人格の持ち主、三男は経営者でありながら毎月赤字を出して親に無心を繰り返す。


家族それぞれがこれといった特別な才能や偉業を成し遂げたわけではありません。それでもこの設定を「普通ではない」と思えないのは、近所を見渡せばこういう一家がいる、と容易に想像できる、わたしたちに近い人物たちだからです。


老いていく連れ合いと、親に甘え逆らえない子どもたち。誰もが結婚して子どもを持ち、愛情を持って育て、社会へ出す——それが「ふつう」であるということなのだろうか。明石家(新平一家)を見て「こういう風にはなりたくない」と感じるか、「なりたくないけど、こうなるのが関の山」とリアルにため息をつくのか、はたまたこの家族をロールモデルとして自分の身の回りに同じような一家を見出し「あーだこーだ」と噂話に花を咲かせるのかは読む人次第です。


ただ正直に言うと、91歳の新平の毎日の散歩には女性とのコミュニケーションが蜜の味(元気の秘訣)というくだりに、若干引いてしまう自分もいましたが。

みなさんはどう読むでしょうか。



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