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直観を取り戻す旅|『老いを賢く受け入れる知恵と心理 人生をWISEに編みなおす』を読んで

10月8日
読了時間: 3分

📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。


「人生の道半ばで、ふと気がつくと、暗い森の中にいた。正しい道を見失っていたのだ。」


ダンテの『神曲 地獄篇』(河出書房新社、2008年、他)の冒頭から始まるこの本は、わたしにとって約1年半続くミッドライフ・クライシス(中年の危機)に対して、心の持ちようを考えさせるものでした。これは40代から60代の中間点で起こりやすく、不眠、記憶障害、アルコール依存症やうつ病を発症することもあります。


今日ご紹介する本はミッドライフ・クライシスに処方箋を出さず、内面の旅を促すフランク・タリスの一冊。『老いを賢く受け入れる知恵と心理 人生をWISEに編みなおす』です。

今の自分が読みたい章から読み始めてみてください。



💬これまでの読書レポートはコチラからどうぞ。



📚ひらめきの瞬間

『老いを賢く受け入れる知恵と心理 人生をWISEに編みなおす』

著者:フランク・タリス著 清水由貴子訳

出版年:2026年

出版社:原書房


本書は哲学書や文学作品、神話を多数紹介しながらも、これといった処方は書かれていません。なぜなら万人に効く処方箋や対処法は存在せず、一人ひとりがこの本から考えたことを組み合わせながら、自分の心と身体の声を聞いて進む道はそれぞれだからです。

そのそれぞれの道が「内面の旅」となる——それが著者タリスが何度も本書で語るキーワードです。


10章からなる本書のうち、第3章「転換点——啓示、覚醒、召命」で語られる「繊細な感情に気づく」は、現在のわたしが大切にしたいと思っていたことを言語化してくれていました。


p.88「ニーチェは『汝の肉体には最善の知恵よりも意味がある』」


p.89「『直観』や『心で感じること』に頼れないと感情的に混乱したり、迷ったりしたときに潜在的な意識に導かれることなく、人生を惰性で進んで漂流することになるはめになるかもしれない。」


そしてp.91には『思考の技法』(筑摩書房、2020年)を書いたグレアム・ウォーラスによる問題解決の4段階——準備・培養・発見・検証——が紹介されています。中でも興味深いのは「培養」の段階です。問題をわきに置き、別のことをしているとき、あるいは何もしていないとき、実際には何が起きているのか。思考は意識下で継続し、無意識で得た答えが意識に浮上してきたとき、ひらめきの瞬間が訪れるといいます。


心身の不調はたとえ目に見えてあらわれなくても、身体の内部では起きています。

「腸」は第二の脳と言われ、思考より先にあります。


手を動かして作品を作っているとき、直観や肌で感じることが若い頃よりも減ってきました。思考が先に立ち、過去の失敗を思い出しては、この先もまた同じ過ちを犯すのではないかと引っ張られ、無気力になるのです。

自分の身体の声、思考よりも直観や感覚にもう一度気持ちを集中しようと、意識を傾けています。


この本に処方箋はありません。

しかしページをめくるたびに、自分の内側に問いが生まれます。

10章ある中で、今の自分が読みたいと思う章から読み始めてみてください。



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