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美術館・民藝・ローカル文化をめぐるおすすめ3冊ー2026年4月前半の読書から。

  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。


2026年4月前半の読書から、印象に残った三冊をご紹介します。

いずれも小説ではなく、エッセイや評論にあたる作品で、日本の書き手によるものです。


💬これまでのご紹介した本はこちらから読んでいただけます。


📚学芸員の視点から美術館の裏側を知る

『学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話』

  • 著者:ちいさな美術館の学芸員

  • 出版年:2023年

  • 出版社:産業編集センター


実際に美術展へ足を運び、限られた時間のなかで会場の回り方に失敗した経験があります。そのときに自分なりに見つけた「集中力を切らさず、最初から最後まで展覧会を回るコツ」が、本書に書かれている内容とほぼ重なっていました。

さらに、現役の学芸員が語る仕事内容や、美術展の企画から準備、開催に至るまでの具体的なプロセス、資金繰りや経費の話、学芸員の一日など、これまで知ることのなかった裏側が丁寧に紹介されています。

そうした背景を知ることで、美術展が一気に身近なものとして感じられるようになりました。

美術館の企画展が実現するまでの工程は、私自身が個展を開催する際のプロセスと本質的に重なっています。より大きな規模と予算で展開されているのが美術展なのだと理解しました。

この気づきは、自分の制作や展示への向き合い方にも影響を与えました。



📚ミュージアムの役割を問い直す一冊

『ミュージアムの教科書 深化する博物館と美術館』

  • 著者:暮沢剛巳

  • 出版年:2022年

  • 出版社:青弓社


本書は、世界の美術館を取り上げながら、その成り立ちや背景、役割、そして今後の展望までを論じています。

著者は美術評論家として出発し、その後、美術館を主題とする論考を多く手がけてきました。

特に印象的だったのは、日本民藝館に関する章です。民藝や思想家・柳宗悦について、これまで抱いていたイメージとは異なる側面に気づかされました。民藝がナショナリズムと結びつき得るという視点は、新たな発見でした。

また、柳宗悦・宗理亡き後の民藝館の状況や、現館長・深澤直人氏の方向性、思想を受け継いだ式場隆三郎についても触れられており、理解がより立体的に広がりました。



📚ローカルと食から見つめる福島の現在

『ロッコクキッチン』

  • 著者:川内有緒

  • 出版年:2022年

  • 出版社:集英社


川内有緒氏の著作を読むのはこれで二度目です。

前作『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』では、全盲の鑑賞者とともにアートを巡ることで、新しい視点が開かれていく体験が描かれていました。その軽やかな語り口と独自の視点に惹かれ、本作も手に取りました。

「ロッコク」とは国道六号の通称で、東京から福島の被災地までをつなぐ道です。本書では、福島第一原発事故から14年を経た現在、この道を旅しながら、その土地に生きる人々の「食」を手がかりに取材が行われています。

インタビューやエッセイの募集を通じて、現地の人々との関係が丁寧に描かれており、読むこと自体が一つの旅のように感じられました。

小説ではありませんが、一つの物語を読み終えたかのような、密度の高い読後感が残る一冊です。


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