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花粉の季節に、本の中で旅をする|マネとオキーフのアスパラガス

  • 5月16日
  • 読了時間: 3分

📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。


皐月。


田んぼに水が入り、稲に植える頃。

毎年この季節になると、風物詩のように花粉症に悩まされます。

田植えが始まると花粉が酷くなる。

それもまた、繰り返す季節のリズムのひとつになっています。

外に出るのがつらいこの季節、せめて本の中で美しい食卓を旅しようと手に取ったのが、

今日ご紹介する一冊です。


毎月2回、前半と後半に分けて読んだ本の中から3冊をピックアップしています。

選書はそのとき読みたいと思うものを直感で。

ジャンルは小説が多め。

ゆるく決めているのは、朝井まかてさんと多和田葉子さんの作品は月に1冊は読むこと。

それからガザやパレスチナの現状・歴史的背景にも目を向け続けること。

アートやデザイン、服飾や文化に関わるものも、気が向けば手に取ります。


今日は、特別に紹介したくなった一冊に出会いました。


💬2026年5月前半|印象に残った三冊をご紹介しています。



絵の中の、食卓へ


皆さんは、絵の中の料理や食卓を見るのが好きですか?


画家が描いた、美味しそうな料理。匂い立つような果実。

一杯のワインやアブサン。庭先に広げられたテーブル——。


そんな絵と一緒に、その料理のレシピまで載っている本があったら、読んでみたくなりませんか?

絵の中の料理を見ながら、あの画家は本当にこれを食べていたのかな、と想像するだけで、その日がちょっと豊かになる気がしませんか?


メアリー・アン・カウズ著『名画の中の料理』は、様々な技法で描かれた料理の図版に、詩とレシピが添えられた、二度も三度も美味しい一冊です。


美術館に足を運べない日や、重たい画集を広げるほどでもないけれど絵が見たい気分のとき。そんなカジュアルな気持ちにちょうどいい。

どのページを開いても美しく、読んだあとに少しだけ、食卓や日常の景色が違って見えてくるような気がします。


第1章「前菜」を開いて、思わず声が出ました。

先日、宇都宮美術館で実際に見たエドゥアール・マネの「アスパラガスの束」の図版が掲載されていたのです。美術館で出会ったあの絵が、本の中でまた出会う。

有名な作品が、自分だけの記憶と結びついた瞬間、絵はもう「遠い名画」ではなくなります。


同じ章にはジョージア・オキーフの「ワイルド・アスパラガス」のレシピも。


ホワイトアスパラガスのもつ艶めかしい質感をとらえたマネの筆致を思い出しながら、今度はホワイトアスパラガスを探してオキーフのシンプルなレシピで、味覚でもあの世界を味わってみたいと思っています。


今夜、いつもより少しだけ、食卓の上のものを眺めてみるのはいかがでしょうか?


💬『名画の中の料理メアリー・アン・カウズ(著)、富原まさ江(訳)2018年、エクスナレッジ



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