2026展覧会レポート#32|宇都宮美術館開館30周年・市制施行130周年記念ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たちヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵@宇都宮美術館①
- 5月3日
- 読了時間: 7分
更新日:5月5日
📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。
G.Wが始まりましたね。皆さんはどこかにお出かけのご予定を立てていますか?
この機会に車で栃木方面に足をのばし、宇都宮美術館で開催中の企画展を見てきました。
『ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵』
東京では見ることのできないフィンセント・ファン・ゴッホ《跳ね橋》(1888年)を目玉に、ドイツ有数の美術館・ヴァルラフ=リヒャルツ美術館のコレクションから、印象派の画家42名による作品を一堂に見られる、とても贅沢な展覧会です。
ゴッホのほかにも、フランス流のエスプリが効いたユニークな逸話で知られるエドゥアール・マネ《アスパラガスの束》(1880年)も見どころのひとつ。
詳しくは次回の作品解説でお伝えします。
今回はまず、鑑賞直後のファースト・インプレッションをお届けします。
💬2026年5月に行きたい展覧会をピックアップしています。
展覧会の見どころ
見どころ1|約10年ぶりの来日!ゴッホのアルル時代の代表作《跳ね橋》
見どころ2|THE・印象派──印象派をめぐる42名・70作品が一堂に
見どころ3|マネ《アスパラガスの束》の秘話
見どころ4|首都圏では宇都宮のみでの開催
ドイツ・ヴァルラフ=リヒャルツ美術館とは
ドイツ・ケルンのヴァルラフ=リヒャルツ美術館は、1824年に神学者フェルディナンド・フランツ・ヴァルラフのコレクション寄贈を起源とし、1861年に実業家ヨハン・ハインリヒ・リヒャルツの支援によって開館しました。
第二次世界大戦の被害を受けながらも、市民の協力により収蔵品を再建・拡充してきた歴史を持ちます。
2001年には新館へ移転し、同時にコルブー財団から印象派・ポスト印象派作品が寄贈され、コレクションは飛躍的に充実しました。
現在では約7万点を所蔵し、中世から19世紀美術までを網羅する、ヨーロッパ有数の美術館として知られています。特に印象派およびポスト印象派のコレクションは、フランス国外でも屈指の質と規模を誇ります。
鑑賞直後のファースト・インプレッション
G.Wの機会を利用して、高速道路を使い栃木へ向かいました。
宇都宮美術館は今回が初訪問です。電車でのアクセスは最寄り駅からバスで約25分ほど。
自宅からは少々距離がありましたが、来てよかったと心から思える場所でした。
美術館が位置する「うつのみや文化の森」は、宇都宮郊外の緑豊かな丘陵地に広がる約26ヘクタールの公園施設。解放感のある芝生と散策コースが整備されており、心身ともにリフレッシュできる、とても気持ちの良い環境です。
美術館の中庭にはクレス・オルデンバーグの《中身に支えられたチューブ》(1985年)が設置されていました。
チケットを受け取り会場に入ると、一面の大きな窓から眩しいくらいの若葉の緑が飛び込んできます。自然光をたっぷりと取り込む天井のもと、展覧会のポスターが吊るされ、清潔感のあるスッキリとしたデザインが出迎えてくれました。
作品の展示室は2フロア構成で、一室ごとに独立した空間になっています。
常設展もまた別の一室に設けられており、部屋ごとに雰囲気と印象が切り替わる構成が心地よく、気づけばひとつひとつの空間をじっくりと楽しんでいました。
思っていた以上に印象派の主要な作家の作品が集まっており、「ここまで来てよかった」という充実感と作品への満足度は、非常に高いものでした。
鑑賞料は一般1,200円。
東京の同規模の展覧会と比べると半額程度です。
交通費や所要時間はもちろん東京以上にかかりますが、
普段は都心の展覧会を見て回っていると、こうして郊外の会場まで足を運ぶこと自体が、ちょっとした小旅行のような体験になります。
旅情も加わった分、鑑賞の質がぐんと高まる感覚がありました。
1階のミュージアムショップは小さなスペースながらラインナップが充実しており、お客さんも多く賑わっていました。
モネの《アスパラガスの束》ポストカード(158円)、大判サイズのポストカード(300円)、ゴッホ《跳ね橋》のポストカード(158円)が人気で、図録を購入される方の姿も見かけました。
宇都宮美術館で過ごした時間は、今年のG.Wのいい思い出としてしっかりと刻まれました。
👉次回は、実際に会場で見た作品についてお話しします。どうぞお楽しみに。
会期:2026年4月19日[日]~ 6月21日[日]
会場:宇都宮美術館
開館時間:午前9時30分 ~ 午後5時 (入館は午後4時30分まで)
入場料:1,200円
🪞巡回会場・会場構成・出品作家一覧
♦巡回情報
会場 | 会期 |
宇都宮美術館(栃木県宇都宮市長岡町1077) | 2026年4月19日(日)〜6月21日(日) |
あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階) | 2026年7月4日(土)〜9月9日(水) |
名古屋市美術館(名古屋市中区栄二丁目17番25号) | 2026年9月19日(土)〜11月29日(日) |
♦会場構成
会場は全6章で構成。
第1章「印象派以前」 風景画が独立したジャンルとして成立していく過程が示される。イギリスのピクチャレスク趣味や鉄道網の発達を背景に、ノルマンディーなどの風景が画家たちの重要なモティーフとなっていった。
第2章「バルビゾン派」 身近な自然を理想化せずに描こうとした画家たちの動向に焦点を当てる。フォンテーヌブローの森を拠点に、戸外での制作を通じて自然観察に基づく表現が深められた。都市化の進展とともに自然への関心が高まるなか、こうした風景画は広く支持を得るようになった。
第3章「印象派」 1874年の第1回展を起点とする革新が紹介される。筆触や色彩によって光の印象をとらえる手法は従来の絵画観を大きく揺さぶり、当初は批判を受けた表現も個性の表出として評価され、近代美術の重要な転換点となった。
第4章「ポスト印象派」 印象派以後の多様な展開が示される。セザンヌ、ゴーガン、ゴッホらはそれぞれ異なる方向から表現を深化させた。外界の印象から内面的な感覚へと関心が移ることで、絵画は新たな段階へと進んでいった。
第5章「点描派」 色彩を点として配置する科学的な手法が紹介される。印象派の感覚的な筆触を発展させ、より構造的な表現へと展開した。
第6章「20世紀の色彩画家」 フォーヴィスムやナビ派など、色彩を主軸とした新たな試みが展開される。写実から離れ、色そのものが画面の中心となった。
♦主な出品作家と作品名(各章より抜粋)
各章で言及された主な作品を章ごとに整理。
第1章「印象派以前」より
✨エドゥアール・マネ《アスパラガスの束》1880年 油彩、カンヴァス
カミーユ・コロー《ヴィル・ダヴレー》1860-70年頃 油彩、カンヴァス
第2章「バルビゾン派」より
ジャン=フランソワ・ミレー《横たわる裸婦》1846-47年
第3章「印象派」より
クロード・モネ《アニエールのセーヌ河》1873年 油彩、カンヴァス
クロード・モネ《エトルタの浜辺の漁船》1883-84年
ピエール=オーギュスト・ルノワール《縫物をするジャン・ルノワール》1898年 油彩、カンヴァス
第4章「ポスト印象派」より
✨フィンセント・ファン・ゴッホ《跳ね橋》1888年 油彩、カンヴァス
ポール・ゴーガン《ブルターニュの少年》1889年 油彩、カンヴァス
第5章「点描派」より
ポール・シニャック《カポ・ディ・ノリ》1898年 油彩、カンヴァス
第6章「20世紀の色彩画家」より
📸SNS🙅🏻♀️アンリ・マティス《コルシカ、古い製粉所》1898年 油彩、カンヴァス
📸SNS🙅🏻♀️モーリス・ドニ《ピンク色の教会、ティヨロワ》1921年
※全出品作は42名・70点。
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