小村雪岱展を見に行く前に、見どころまとめ
- 22 分前
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毎日40度に届くような酷暑日が続き、外に出ること自体が命がけのような気になる今日この頃です。そんな酷暑の合間を縫って、自宅から一番近い美術館へ足を運ぶ計画を立てました。埼玉県立近代美術館で開催中の「密やかな美 小村雪岱のすべて」です。
日本画の展覧会を見る面白さは、作品や作者そのものだけでなく、日本の展覧会に特有の「展示替え」にもあると思っています。紙や絹に描かれた作品は光や湿度の影響を受けやすく、長期間展示し続けると質や状態を損なうリスクがあるため、会期を前期・後期に分けて内容を入れ替えるのが一般的です。
今回の展覧会も、前期は「装幀・日本画・舞台美術の原点を辿る内容」、後期は「挿絵画家としての代表作」が揃うとのことで、前後期で見える雪岱の顔がずいぶん違いそうです。
実際に作品を見に行く前に、小村雪岱について公式HPをもとに見どころをまとめてみました。
展覧会の見どころ
公式サイトでは大きく3点が挙げられています。
代表作を多数紹介:装幀家デビュー作『日本橋』(泉鏡花著)、邦枝完二「おせん」「お傳地獄」の挿絵原画など。新聞連載小説「山海評判記」「江戸役者」の挿絵原画は近年所在が判明したばかりで、所蔵館以外では初出品となります。
雪岱に影響を与えた作家・画家の作品もあわせて紹介:終生敬愛した泉鏡花関連資料、鏡花を慕った鏑木清方・里見弴らの作品。日本画の師である松岡映丘の作品、映丘とその門下との合作《十二ヶ月図連幅》《草枕絵巻》は雪岱の個展では初展示。雪岱が影響を受けた鈴木春信・初代歌川国貞の浮世絵も出品されます。
過去最大規模:約25年間の活動を8章に分け、前期・後期で約650〜700点の作品・資料を展示(大幅な展示替えあり)。
さらに前後期で約200点ずつ大規模展示替えをします。
会期中に前後期それぞれ約200点が入れ替わる大胆な構成となっています。
巡回情報
2025年12月27日からあべのハルカス美術館を皮切りに、千葉市美術館をへて、7月11日から埼玉県立近代美術館へやって来ました。雪岱は川越市出身です。埼玉展が現時点で確認できる最終会場のようです。
小村雪岱の時代背景
小村雪岱は1887年(明治20)に埼玉県川越に生まれ、1940年(昭和15)に没した、大正から昭和初期にかけて活動した画家です。16歳で日本画家・荒木寛畝に入門したのち東京美術学校日本画科(選科)へ進み、在学中は下村観山の教室で学びました。そしてこの時期、1907年に泉鏡花と運命的な出会いを果たします。
装幀家としては1914年、泉鏡花の『日本橋』でデビューし、以後は鏑木清方とともに鏡花の装幀・挿絵を担っていきました。挿絵、装幀、日本画、歌舞伎「一本刀土俵入」などの舞台装置、さらには映画の美術考証まで、ジャンルを横断して活躍したのが雪岱の大きな特徴です。その端麗で情趣あふれる画風は、江戸中期の浮世絵師・鈴木春信になぞらえて「昭和の春信」と称されました。
前期の目玉作品
《青柳》(1924年頃/絹本着色/埼玉県立近代美術館蔵)
展覧会メインビジュアルの一つで代表作。後期は同じ画題の版画版に展示替えとなるため、肉筆画を見られるのは前期のみとです。
『日本橋』(泉鏡花著/1914年/泉鏡花記念館・さいたま文学館ほか)
雪岱が装幀家としてデビューした記念碑的な一冊。見どころ紹介でも筆頭に挙げられている作品で、通期展示のため前期・後期どちらでも見られます。
『鏡花選集』裏見返原画(1915年/紙本着色/慶應義塾図書館蔵)
泉鏡花との仕事の初期を伝える原画。装幀家としての仕事が本格化していく過程を追える作品です。
《八幡太郎》(1931年/絹本着色/はち巻岡田蔵)
肉筆の日本画作品。装幀・挿絵の仕事の合間に手がけた画業の広がりを示す一点で、料亭旧蔵という来歴も雪岱の交友の広さを物語ります。
「稽古扇」舞台装置原画(1934年/紙本着色/弥生美術館蔵)
舞台美術家としての雪岱を伝える資料。歌舞伎の舞台装置を数多く手がけた仕事の実例として貴重です。
「足利尊氏」舞台装置原画 第二幕(一)(1928年/東京藝術大学蔵)
7月11日〜7月26日の期間限定作品
皆さんが見に行かれる前に、少しでも参考になるところがあれば嬉しいです。
会期:7月11日(土)― 9月23日(水・祝)※月曜休館
・前期|7月11日(土)-8月16日(日)
・後期|8月18日(火)-9月23日(水・祝)
会場:埼玉近代美術館
開館時間:10:00-17:30
入場料:一般 1,400円
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