top of page

財布が踊る場所、人生の分岐点|原田ひ香『財布は踊る』を読んで

  • 8月28日
  • 読了時間: 2分

更新日:8月29日

📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。


『三千円の使いかた』以来、原田ひ香はお金と仕事、生活の安定と不安定について具体的な数字を絡めて小説に取り込んできました。本作でも生活者の切実さと金銭感覚を包み隠しません。全6話で、リボ払い、FX、株式投資、奨学金、情報商材など、現代のお金の問題をかなり具体的に書いています。

その通り、本作では「どうやってお金を増やせばいいのか?」について、その危険な罠を含めて、お金の問題を直視し、どう生き残るかについて考えさせる作品となっています。


📚貧しくも豊かにもなれるなら

『財布は踊る』

著者:原田ひ香

出版年:2022年

出版社:新潮社


金文字で「M・H」というイニシャルが入ったヴィトンの財布が、同じイニシャルを持つ人から人へとあちらこちらに流れ、最初の購入者のもとへ再び戻ってくるという物語。財布を手にした人それぞれの半生を6話に収めたオムニバス小説です。


夫の借金が発覚して真っ青になる主婦、ねずみ講まがいの仕事と同級生に金を盗まれるエアコン取付業者、書くものに悩み頭打ちになっているフリーランスのライター、奨学金返済に苦しむOL——すれすれの生活を送る男女を軸に、その間を軽やかに踊るようにすり抜けていくヴィトンの財布。


落ちるときの穴は浅く、すぐに這い上がれそうに口を開けています。しかし一度そこに足を突っ込めば、無限の闇から戻ることはできない。何らかのタイミングやポイントでそれを回避できるかどうか——その差は一体何か。本書はそこを突いていきます。

登場人物が過去の行いにジャッジを下そうとも、人生には続きがあって簡単には降りられません。経済が留まることなく動き続けるように、人の酸いも甘いも変動し続ける。読者の数だけ違った答えが出てくるだろうとも思いました。


貧しくも豊かにもなれるなら、それを失った人と掴んだ人の差は何か——あなたなら、どうこたえますか。



あわせてどうぞ








コメント


bottom of page