だんち、おもしろい|長野まゆみ『団地で暮らそう!』を読んで
- 8月10日
- 読了時間: 2分
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「団地のふたり」「しあわせは食べて寝て待て」、この2本のドラマが好きという方はいるでしょうか。はい、わたしです!
どちらのドラマも重要な舞台が「団地」です。団地に住む人付き合いや、そこで暮らすことの良い部分をゆるく、片意地張らずに見せてくれる心地よさがあります。
どの町にも必ず名物の団地(集合住宅)があり、知人や友人が一人くらいはそこに住んでいる、あるいは住んでいたということがあるものです。一方で、団地の存在感は年々薄くなり、老朽化・高齢化・人口減などで物理的な維持が難しくなり、取り壊されて更地になっていく光景も見慣れたものになりました。
📚選択肢、だんち!
『団地でくらそう!』
著者:長野まゆみ
出版年:2014年
出版社:毎日新聞社
『団地でくらそう!』は、日常生活を観察者のような視点から描いたエッセイ的な作品です。都内でレク・ワーカー(レクリエーション・ワーカー。高齢者や障がい者施設などでレクリエーション活動を支援する仕事)として働く安彦くんが、家賃の安さと築年数の古さに興味をそそられ団地に住み始めるところから物語は始まります。
実際に暮らしてみると、そこは「半世紀前」の生活。現代のわたしたちからすると当然の感覚である快適・便利・清潔な暮らしとはかけ離れた、歴史は遠く未知の日本の暮らしを紐解くものになりました。
当時の団地暮らしには、大雑把さと大らかさがありました。人間のための暮らしというより、団地の間取りに暮らしを合わせる強制的な姿勢があり、人は工夫と我慢を重ねながら生活してきたんだなという印象を持ちました。人がひとり増えれば小さな決まりごとも増え、破られ、そのたびに問題が起きる。しかし同時に、人付き合いの処世術を会得し、やり過ごしながら楽しく暮らすしたたかさも育まれていたのかもしれません。
現在、団地はリノベーション、子育て支援、医療・福祉、多世代交流、商店街再生などを組み合わせた「地域の資産」として再編集しようとする動きが各地で広がっています。
「豊かに暮らすとは何か」という価値観の変化と、団地の再評価が重なっているようにみえます。
今の暮らしの当然。を団地という場所が問い直してくれます。
一人暮らしでも、何人で住もうとも、暮らしはこわくて、面白い。
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