止まっていた時間を、また動かす——アトリエノート
- 6月9日
- 読了時間: 2分
📍いつもブログを読んでくださりありがとうございます。
針を持ちました。久しぶりに。
再開するのは、針と糸を使って紙に刺繍する作業です。「刺繍」という言葉は、いささか正確ではないかもしれません。わたしの場合は針と糸に慣れるため、ぷつぷつと不器用に縫っていくだけ。刺繍が持つ美しさや可愛らしさ、温かさとはまだ距離があって、それはむしろ、未だ慣れずにしている痕跡です。
針と糸は、使い慣れた道具で引くドローイングとも、水が生む滲みやかすれとも違います。自在に操れない分、不慣れと不器用が重なります。
まるで家庭科の授業がひどく苦手な生徒が、やっとのことで仕上げるナップザックのような感覚です。
でも今ならこう思います。あのナップザックは苦痛だったけれど、型紙から布を裁断し、縫い合わせ、紐を通す。その一連の過程を手で知ることが、大事だったのだから、上手くできても出来なくてもよかったのです。わたしの針と糸も同じです。完成品をつくることよりも、過程でひと悶着しながら進めることを面白がっています。
制作を再開すると、以前作ったものが面白く見えてきました。紙は手を止めた状態のまま、時が止まっています。また針を動かすことも、巻き戻すことも、自分次第。
止めたところから、また始めます。
エンジンが入った状態にまでやっと回復しました。
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